音楽喫茶を標榜する店としては、オープン初日、年初、1周年、何周年記念に何をターンテーブルにのせるかはとても悩むところで、お客様はしっかり(しつこく)覚えてて、「あれはどういうつもりでかけたの?」なんて本人が忘れかけた頃に聞いてきてドキッとするもんで、まぁ開店前で頭爆発しててキリキリしてるなかでさえ最後の針を落とす瞬間まで悩むものなのです。
で、プレオープンの2021年3月16日最初にかけたのは
「Blow in the wind」Bob Dylan
やっぱり答えは風の中にある。誰になに言われようとも。
オフィシャルオープンの3月31日にかけたのは
「Hard luck woman」KISS
結婚式の日にこれを弾き語りしようと思ってたんだけど、カミさんがあまりに不憫でやめた(>_<)
でも生涯1番好きな歌。
2022年1月1日
「Rock’n roll all night」KISS
やっぱり人生これっしょ。
ジャズ多めの音楽喫茶ながらジャズ喫茶の欠片もない(笑)
さて、これからいくつ節目の曲をかけられるんだろう...そして最後にかけるのは?
まだ気が早いか?
とりあえず、1周年(2022年3月31日)の最初に何をかけるか悩もう(^^;
・・・と渋谷のレコードバー 33 1/3rpmのカウンターでここまで書いていたのが3月14日、うかうかしてたらアップするのを忘れ、いま4月13日、営業中にもかかわらず人気のないお店でこれを書いている( ノД`)シクシク…
で結局、1周年の最初にかけたのは
「Like a rolling stone」/Bob Dylan Live 1966 The “Royal Albert Hall” concert
 1966年5月17日にディランが歌ったこの時のこの曲が、まさにこの1年の私の心境だったのだ。
エレクトリックギターを抱えるディランに変化を受け入れられないファンが執拗に野次を続け、ラストのこの曲の前に「ユダ(裏切り者!)」と叫ぶ、それを支持する者たちの拍手、ディランは「俺はお前を信じない」「お前は噓つきだ」と返し、”でかい音”でこの曲を歌いだし、「How do you feel?」と繰り返す。
 そんなやや挑戦的で悲壮な気持ちがずっと根底に流れていた。・・・でも実際は拍子抜けするほど、ほとんどの人たち(あくまでほとんどです)にあたたかく迎えられ心配されて呆れられ支えられ助けられて気づけば、あのときのディランとは(おそらく)違って胸あたたかくこの曲を聴いている。なんと果報者なんだろう。でもあのときのディランの気持ちは忘れずに続けていきたい。
それにしてもお客様来ない、書き終えちゃったじゃないか。